北海道ならではのトラブル 煙突凍結による解氷作業
煙突内の結露水凍結
冬になると氷点下ー30℃以下にも”しばれる”旭川市ですが、毎冬必ずどこかで水道が凍結
したなどという悲鳴が耳に届きます。
旭川周辺地域も例外では無く、今回は富良野市のお客様宅から「煙突の中に氷が出来ちゃったんだけど
溶かすことなんて出来ますか?」との依頼がありました。
灰出しの蓋を開けると見事に綺麗な氷が出来上がっておりました。
これは特別に珍しい光景という訳ではなく、特に集合煙突で灯油ストーブを使用し更に集合煙突が室外にある場合に起きやすく、
ストーブから排出された水蒸気が煙突内で冷やされ水になり、灰出しの下に溜まって凍るという現象です。
煙突の下に水が溜まるのを雨や雪が溶けたものと思う方が多いですが、そのほとんどは結露水です。
灯油を1ℓ焚いたら1ℓの水が出ると言われるほど多くの水分が出る為、それが一度凍りだすと想像以上の速さで
煙突内で凍り上がっていき水位が煙突の横穴まで達します。
条件が違くても薪でも、特にシングル煙突だと同じ原理で結露して底に大きなつららが出来たりします。
横山お手製 蒸気発生装置による解氷作業
問題はその氷をどうやって溶かすかというところですが、
煙突の仕事に携わって50年以上の経験を持つ社長・横山愛慈が製作した解氷装置で溶かします。
こちらの装置で蒸気を発生させて
このノズルから多方向に蒸気を噴射させます。
そうです。蒸気で溶かすのです。
解氷の様子は動画にてご覧ください
https://youtube.com/shorts/8DWOuq4K0No?feature=share
ただこれではあくまで緊急の場合の一時的な処置に過ぎませんので根本的に結露を
止めるためには断熱二重煙突を入れる必要があります。
あまり一般的に知られていないマニアックなトラブルに対応してこそ
煙突職人”筒師”が存在する意味があるのかも知れません