森林都市下川町で広がる環境意識 自然に配慮した新店舗に薪ストーブ設置「月と野菜」

食材のはかり売りと喫茶「月と野菜」 徹底した環境への配慮

月と野菜 下川町 薪ストーブ

昨年12月にオープンしたオーガニック食品の量り売り店「月と野菜」様の喫茶スペースに

薪ストーブを設置させて頂きました

月と野菜 下川町 薪ストーブ

ストーブは150年の歴史を誇るドイツの鋳鉄メーカー「LEDA」が欧州のECO DESIGN2022の

排出ガス基準をクリアして製造した「アレグラ500」

近年の薪ストーブはそういった欧米の厳しい排ガス基準をクリアしたものしか認証されなくなり、

より燃焼効率が高く環境に配慮したものとなっております。

この燃焼効率というのが貴重な木のエネルギーをどれだけ室内の熱エネルギーに生かすかという

目安なので、環境にとってもなかり大事なポイントになります。

実際アレグラ500の燃焼効率は78%ですが、古くて安価な薪ストーブだと40~50%程度しか無く、

年間の薪の消費量で考えると倍くらいの差になることもあります。

月と野菜 煙突 薪ストーブ 下川町

家屋は旧製麺所を改装、ご主人様が下川町で工務店をされてるので改装工事は

ご主人様(若園工務店)が担当。

月と野菜 下川町 オーガニック 薪ストーブ

店舗の運営は奥様(写真:右)がされてます

ショーケースにあるバスクチーズケーキとリンゴとメープルの焼きタルトを頂きましたが

これが衝撃的に美味しかったです

月と野菜 オーガニック はかり売り 下川

お店の看板にもある「食材のはかり売り」とはオーガニックのドライフルーツやナッツ、スパイスなどを

持参の容器か、店の瓶を洗って返すと返金することでごみを減らすことが目的で、

必要なものを必要なだけ買うことが出来きてフードロスにも貢献することが出来ます。

種類も豊富でスーパーでなかなか見かけないものや、あったとしても結局

使いきれずに賞味期限が過ぎてしまいそうなレアな食材があるのがなんとも魅力的です。

近所にあったら普段の買い物と料理が楽しくなるのにと下川町民が羨ましくも思えました

他にも生活用品、地元の四季折々の食材などが豊富にありまだオープンして間もないですが

既に地域の中心に根付いて自然とお客様の環境に配慮しながら生活をもっと豊かにする意識を

高めてる様にうかがえました。

jinnoki cafe 下川町

昨年、若園工務店様で新築した店舗(jinnoki cafe様)も

身体と環境に優しいお菓子屋さんとしてヴィーガン食、グルテンフリー、アレルギーフリーと

様々な問題に配慮したお菓子を提供されております。

若園工務店 下川町 薪ストーブ

こちらは併設したご自宅側ですが、

近頃はおしゃれさや暖房能力の前に環境目線から再生可能エネルギーの薪ストーブやペレットストーブを

選択される方が増えてきたように感じます。

それはそうと下川町は「ジャンプのまち」とも呼ばれ、あの葛西紀明選手など多くのメダリストを輩出した

町でして、その葛西選手も練習に使用していたジャンプ台の麓に位置してます。

運が良ければ未来のオリンピック選手の練習を見ながら、美味しいお菓子とコーヒーで一息つけるかも知れません。

 

バイオマス産業都市「下川町」 チップボイラーと薪ストーブとペレットストーブ

下川町 バイオマス 薪ストーブ ペレットストーブ チップボイラー写真:朝日新聞

下川町は人口3000人に満たない小さな町ながら土地面積の9割が森林です。

1953年に町の財政規模が1億円の時に8800万円を投じて1200haの国有林を払下げしてから、

4500ha以上の町有林を年間50haずつ伐採と植林を繰り返し、60年サイクルで循環させるという循環型森林経営を確立してます。

町の熱エネルギーの自給率はなんと5割。

日本のエネルギー自給率が2023年時点で15.2%(電気なども含めた数字)なので

冬の暖房がエネルギーの大部分を占める北海道では特に模範にすべき取り組みです。

下川町

2004年に北海道初の木質バイオマスボイラーを「五味温泉」に導入してから

11基のボイラーが役場や学校、町営の温泉施設など30カ所に暖房と温水を届けています。

バイオビレッジ 下川町 バイオマスボイラー

特筆すべきは「一の橋バイオビレッジ」というバイオマスボイラーから複数の施設や住宅に

熱を供給する地域型熱供給システムで、これだけの規模で実現してる町は全国的にも珍しく

森林大国日本の模範都市として位置付けられております。

因みにこちらで稼働しているバイオマスボイラー(チップボイラー)の燃焼効率は85%

熱を供給する配管は断熱材がしっかり巻かれてれば1kmで1℃くらいしか低下しない

ので木のエネルギーを効率良く生かせてると言えます。

(チップが適切に乾燥してるのが条件です)

下川町長 田村泰司 ペレットストーブ

下川町にはペレット工場がありペレット燃料を製造しておりますが、

現在は主にバイオマス発電の為の仕様でして、発電に関しては効率の面などで多くの課題があります。

ペレットストーブはというと薪ストーブ同様、町から補助金が支給され(今年度は限度額20万円)

多くの方が使用しております。

写真のストーブは田村泰司町長のご自宅で使用してるパラゼッティ社のLOLA(イタリア製)

燃焼効率は脅威の94%(改めて確認して驚きました)

2世帯で同機種を2台ご利用されています。

その他にも畜産業で出た牛の排泄物を利用したバイオガス発電から、

木材加工の過程で出るおが粉を利用した椎茸栽培、更にはトドマツの枝葉からエッセンシャルオイルを製造したりと

無駄なく再生可能な資源を活用しております。

ゼロカーボンシティ旭川

2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目標とする「ゼロカーボンシティ」には

下川町も旭川市も表明しておりますが、本当にこれを実現しようとしたら

一部の意識が高い企業や個人の努力だけでは到底達成出来ません。

急に現代人が原始時代の様な生活に戻ることも現実的ではありません。

普段の生活の細やかな節約ももちろん大事ですが、我慢を強いる節約よりも

現代の技術でより快適に、豊かで、環境にやさしい生活にシフトする方が

効果的です。

薪ストーブは電気ストーブに比べたら不便かも知れませんが生活の豊かさを向上させる

ことが出来ます。

ペレットストーブは豊かさと便利さを兼ね備えたより現代人向けの機械で

今も進化が絶えません。

私達筒師も限りある化石燃料からの脱却の大きな希望と捉えて、

お客様により良い提案が出来るよう従事していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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